
30秒で分かるこの記事
数字を全部判断させず、
「見る場所」をAIに探してもらいます
難しい分析を丸投げする記事ではありません。AIが並べた確認候補を、最後は人が元の資料と見比べます。

- 悩み確認する数字が多い
どこから見ればよいか分からず、見落としも心配です。
- AIで整理変化の大きい項目を抽出
決めたルールで、要確認の候補を同じ順番に並べます。
- 人が確認元帳・証憑と見比べる
候補の理由を確かめ、会計上の判断は担当者が行います。
先に結果
貸借一致はPASS。優先確認事項を7件抽出できました
現預金の減少、棚卸資産と短期借入金の増加、利益率の低下などを機械的に検出し、「次に人が何を確認するか」まで出力しました。
はじめに
あなたがする操作は、3つだけです
難しい命令やプログラムを書く必要はありません。今回、人が行ったのは次の3つです。
Excelを1つの場所に入れる
前期と当期が分かるファイルを用意します。
お願い文を貼り付ける
下にある文章をコピーしてCodexへ送ります。
完成したExcelを開く
オレンジ色の「要確認」から順に見ます。
パソコンの中の「書類入れ」
AIへ渡す普通の日本語のお願い
Codexが新しく作った完成品
操作 1
Excelを「財務チェック」フォルダへ入れます
デスクトップなど分かりやすい場所に「財務チェック」というフォルダを作り、その中に確認したいExcelを入れます。最初は実データではなく、この記事の架空サンプルで試すと安全です。
今回使った架空データと、チェック結果が入ったExcelです。
実在する会社のデータを使う前に、社内ルールや契約上、外部AIへ入力してよい情報かを確認してください。
操作 2
Codexへお願い文を貼ります
Codexの新しい作業を開き、先ほど作った「財務チェック」フォルダを作業場所として選びます。次に、下の文章をそのままコピーして送ります。
このフォルダにあるExcelを使って、財務チェックをしてください。
【守ってほしいこと】
・元のExcelは書き換えない
・分からない点は勝手に決めず、先に質問する
・結果は新しいExcelファイルにする
【確認すること】
1. 資産合計と、負債・純資産合計が一致するか
2. 流動比率、自己資本比率、営業利益率
3. 前期から25%以上増減した主な科目
4. 売上高、営業利益、当期純利益の前期比較
5. 人が次に確認する資料や項目
まず、これから行う作業を普通の言葉で説明してください。
私が確認したあとに実行してください。- 元のExcelを壊さない
- 確認項目を先に決める
- 分からないことは質問してもらう
- 完成品は別のExcelにする
操作 3
実行前に、元ファイルを変更しないことを確認します
Codexは作業前に、これから何をするか説明します。専門用語を全部理解する必要はありません。次の3点だけ確認します。
この内容で財務チェックを進めます
- ✓ Excelを読み取ります
- ✓ 新しい結果ファイルを作ります
- ✓ 元のExcelは変更しません
- 確認1対象ファイル名が合っている
- 確認2「元ファイルは変更しない」と書いてある
- 確認3削除や外部送信が含まれていない
内容が違う場合は実行せず、「元のExcelは変更しないでください」「結果は別ファイルにしてください」と追加で伝えます。
ここからはCodexの作業
実行すると、Codexが4つの作業を順番に進めます
ここは人が操作する部分ではありません。Codexが、Excelを読む・基準で点検する・結果をまとめる・新しいファイルへ保存する、という順番で進めます。
Excelを用意し、お願い文を送り、結果の数字を判断します。
同じ確認手順を実行し、別ファイルへ結果をまとめます。
実際の入力画面
Codexが読み取ったExcelは、この形です
実在企業の情報は使わず、卸売業を想定した架空データを用意しました。青い数字が入力値です。前期と当期が横に並んでいれば、「どの数字が増減したか」を比較できます。

短期の支払余力を見る
資金の滞留を見る
利益率の変化を見る
この記事の数値はすべて架空です。特定企業の財務状態を示すものではありません。
自動チェックの基準
どの数字を「要確認」にするか、後から変えられます
今回のしきい値は検証用です。主要科目の前期比25%、流動比率120%、自己資本比率20%、営業利益率3%を基準にしました。

ここが重要です。比率の「正常・異常」は業種、企業規模、季節性、借入方針で変わります。AIが一般的なしきい値を置いて終わりではなく、自社や顧問先に合わせて担当者が決める必要があります。
作業中の見え方
作業が始まったら、基本は画面を見て待つだけです
今回はCodexが次の順番で進めました。途中で質問された場合だけ、分かる範囲で答えます。分からなければ「分からないので元のExcelから判断してください」と返して構いません。
実際の作業ログを見る(専門用語が含まれます)
$ node run_check.mjs
Codex 財務諸表チェックを実行しました
データ整合性: PASS
優先確認事項: 7件
[高] 資金繰り: 現預金が前期比 -45.8%
[高] 在庫: 棚卸資産が前期比 +68.0%
[高] 借入: 短期借入金が前期比 +120.0%
[高] 収益性: 営業利益が前期比 -63.1%
[中] 短期安全性: 流動比率 116.4%
[中] 財務安定性: 自己資本比率 19.3%
[中] 利益率: 営業利益率 2.6%
Saved financial-check-report.md増減率だけでなく、各論点の次に確認する資料も指定しました。例えば在庫増加なら、滞留在庫・評価減・棚卸差異を人が確認します。
完成後の操作
新しくできたExcelを開き、オレンジ色の項目から見ます
作業が終わると、元のExcelとは別に結果ファイルができます。「財務チェック結果.xlsx」を開けば、最初の画面に確認すべき数字が並びます。

現預金
大口支払、返済、設備投資、資金移動を確認
棚卸資産
滞留在庫、評価減、棚卸差異を確認
短期借入金
新規借入、長短振替、返済条件を確認
営業利益
粗利率低下と販管費増加の内訳を確認

貸借一致や利益計算はOKです。一方、比率や増減率は「誤り」ではなく「要確認」としました。機械的なフラグと会計上の断定を分けるためです。
結果を直したいとき
追加のお願いも、普通の日本語で伝えられます
完成後に内容を増やしたい場合は、新しく作り直す必要はありません。同じCodexの画面で続けて頼みます。
「会計に詳しくない社長向けに、重要な3項目だけ最初に表示してください」
「前期比25%ではなく、20%以上の増減を要確認にしてください」
「棚卸資産が増えた理由を確認するために、次に見る資料を一覧にしてください」
検証結果
実際に作って分かった、向く仕事と注意点
定型チェックは揃えやすい
貸借一致、比率計算、前期比など、同じ手順の繰り返しは再現しやすいです。
確認順を絞れる
大きく動いた科目を先に出すことで、人が見る範囲を狭められます。
理由までは断定できない
数値変化の原因は、元帳・補助簿・証憑・担当者への確認が必要です。
実務導入前に追加したいもの
- 会計ソフト別の科目マッピング
- 月次・年次の期間判定
- 業種別のしきい値
- 異常値の除外ルール
- 顧客データの権限管理
- 実行履歴と人の承認記録
本番データを使う場合は、元ファイルを直接上書きせず、コピーを入力にして別フォルダへレポートを出す設計が安全です。自動修正より先に、読み取りと指摘だけで検証します。
参考情報
元動画を見なくても進められるように、手順を再構成しました
着想元は、税理士の荒井悠輔氏による「Claude Codeで財務諸表チェックを自動化してみた」です。この記事では動画視聴を前提にせず、Codexで行った操作、依頼文、確認画面、完成ファイルまでを最初から説明しています。
考え方を参考にしつつ、データ・チェック基準・依頼文・レポート・記事内の画面は今回のCodex検証用に新しく作りました。
再現用サンプル
今回のExcelとレポートを確認できます
同じ画面を確認できるように、架空データのExcelと、Codexが出力したMarkdownレポートを置きました。
二次配布や実務利用の際は、数値・基準・利用条件を必ず見直してください。
今回のまとめ
Codexは、財務レビューの「最初のふるい分け」に使えました
計算と前期比較を揃え、優先して見る場所を出すところまでは自動化できます。会計上の理由を判断し、証憑と照合し、最終承認する工程は人に残します。
検証・更新履歴
- 2026年8月8日
- 元動画の手順を確認。架空データ、チェックルール、実行処理、Excel、MarkdownレポートをCodexで作成し、結果を目視確認
- 2026年8月8日
- ITに詳しくない方でも再現できるよう、フォルダ準備、コピペ用依頼文、実行前確認、完成ファイルの見方を追加
- 2026年8月10日
- 初心者向けの導入図解と、悩み・AIで整理・人が確認する3段階の説明を追加
よくある質問
Codexだけで財務諸表の最終チェックはできますか?
できません。今回できたのは、転記確認、計算一致、しきい値による抽出、前期比較のたたき台です。元帳・補助簿・証憑との照合と最終判断は税理士や会計担当者が行います。
実在企業のデータを使いましたか?
使っていません。実在企業とは無関係の架空の卸売業データです。
